国連「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」の地域拠点『中部ESD拠点』

文字サイズ
中部ESD拠点(協議会)とは

> > 第4分科会(国際協力とESD)

第4分科会(国際協力とESD)

第4分科会(国際協力とESD)活動の目的

 「持続可能な開発」は地球的な規模で考える必要がありますが、そうした理解は自らの住む地域が他国・他地域と密接なつながりがあり、自らの生活や社会が他国・他地域と相互依存関係にあることを理解することが重要です。かかる理解促進のため、企業活動、高等教育、学校教育と社会生活などの各分野における地元地域の好事例を通して、地球的な課題との関係を考えていく教育モデルを構築します。

今年度の活動内容

第1回「日本の若者の可能性~外国の若者との比較を参考に」

鈴鹿国際大学・A.クマーラ教授(スリランカ人)により、内向き志向に陥りやすい日本の若者に対して広く海外に目をむけることへの重要性と、外国の若者との比較をもとに日本の若者の潜在力を引き出す術について講演いただきました。

第2回「東海・中部は開発途上国に対してどう関わるか」

浅沼修一名古屋大学教授と名古屋大学博士課程のケニア人留学生2名に、途上国への農業の技術協力と日・途上国の人づくりに関して講演いただきました。

第3回「海外との双方向的な人の交流」

ケニア留学生として名古屋大学大学院卒業後、名古屋で三菱航空機に就職、勤務のM.S.オドンギさんによる講演で、ケニア女性の目で見た日本の生活と若者を通して、国際協力を考える機会を持ちました。

これら3回のWSでは、教育関係者、学生、研究者、勤労者などが参加して、それぞれの立場から意見交換、開発教育、異文化交流、多文化共生について考察しました。その共通課題は地元に向けての啓発と、地元から外に向けての発信の2つであり、本年のWSの材料を下記の通り来年度の活動においてとりまとめます。

今年度の活動成果

ワークショップ「国際協力とESD」

中部ESD拠点「2014年プロジェクト」の一環として、「国際協力とESD」をテーマにワークショップを開催しました。本ワークショップは、「2014年プロジェクト」の3つのセクター別分科会(①企業とNPO、②学校教育、③高等教育)に対して、横断的なテーマで取り組む分科会として立ち上がった「国際協力とESD」分科会が企画・実施したものであります。開催概要および成果は以下の通りです。

(1)「国際協力とESD~日本の若者はいつ世界と向き合うべきか~」開催報告

(2)「愛知・名古屋は開発途上国に対してどう関わるか―アフリカ留学生を通してESDを考える―」開催報告

(3)「海外との双方向的な人の交流」開催報告

ユネスコ世界会議に向けて

 2014年度における活動スケジュール予定は、11月のESD世界会議に向けての作業を中心としています。

■4月~6月

RCE中部の3分科会から、国際交流における地元への啓発と地元から外に向けて発信できるそれぞれの好事例の提供を伺います。

■7月~9月

3分科会からの好事例をもとに、11月のESD世界会議サブイベントにおいてシンポジウム等の場を設けて啓発、発信すべく準備します。何を、誰に対して、どのように発信するか検討し、整理します。

■10月~12月

ESD世界会議における発信と、その結果に基づく考察と次なるステップに向けての計画(例えばESDグローバル・アクション・プログラムに沿ったパートナーシップ計画を想定) を考えます。

■1月~3月

翌年度に向けての作業計画を策定します。

 「国際協力とESD」分科会は、横串としての分科会として発足したがRCE中部内においての位置付けと機能についての共通認識が徹底していません。即ち、企業とNPO、高等教育、学校教育と地域との連携の3分科会における成果は、すべて「国際協力とESD」分科会の活動にも提供されるべきものと考えられますが、その相互関係がRCE中部の中で共通の認識となっていないために、11月のESD世界会議に向けてRCE中部の総体としてのメッセージをどうするかが不明瞭なままであります。従って、その総体としてのメッセージを考察するのが今後の課題であります。作業工程としては、運営委員会におけるESD中部モデル構築委員会での作業方針の明確化と、その成果物を外部に明確に発信すべくホームページ等の広報媒体を整備して世界会議に先がけて上記メッセージを事前広報します。それをもとに世界会議サブイベントのプログラム形成につなげていきます。中部モデルの構築に向けては、11月の世界会議に焦点をあわせ、地元の好事例を選択、それをもとに中部における開発経験をどのように海外に対して提供できるかを策定します。