国連「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」の地域拠点『中部ESD拠点』

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第4分科会(国際協力とESD)

活動成果

ワークショップ「国際協力とESD」

(3)「海外との双方向的な人の交流」開催報告

【開催概要】
■開催趣旨:日本はモノに恵まれ便利で安全です。しかし、世界の多くの国々では日本でフツーのことがフツーでありません。我々の生活は我々の社会だけで成り立ってはいません。それを支える世界の他の国々を同時に考える広い視野が重要です。海外と日本の双方向的な国際交流が、「持続可能な開発のための教育(ESD)」を進める上で大切です。今回は名古屋大学に留学後、名古屋で就職したケニア女性の見た日本の生活と若者を通して、国際協力を考える機会をもつことにします。
■日時:2013年12月17日(火) 18:30~20:30
■場所:中部大学 名古屋キャンパス 505教室
■プログラム
講演 マウング・サンドラ・オドンギさん Ms. Maungu Sandra Odongi
ケニア留学生として名古屋大学大学院工学研究科にて航空宇宙工学(液体力学)を専攻、本年3月の卒業後、名古屋で三菱航空機に勤務
ディスカッション:司会:淺川和也(東海学園大学人文学部教員)
コメンテーター:武藤一郎(中部ESD拠点運営委員)
【成果】
■サンドラ氏の講演では、冒頭に、ケニアの国紹介を、概要・環境・経済の側面から行われました。その後、氏の日本での経験を紹介しました。サンドラ氏は、少女時代から、飛行機のパイロットになることを夢見て勉学に励んでいました。そして、優秀な成績で高校・大学を卒業後、航空技術を勉強するため日本に来日しました。卒業後は、自国に戻らず日本国内で、中菱エンジニアリングのワークショップなどを担当しました。外国人で航空関係の会社に入社するのは困難であったが、現在は開発チームで業務をこなしています。また、講演では日本の航空技術についても解説しました。最後に、サンドラ氏が日本国内で行っているNGO活動についての紹介を行いました。NGOの名称は、Japan Africa Trustで、主としてアフリカへの農業技術支援を行うNPOですが、その他、さまざまな交流活動を行っているとのことでありました。
■討論の内容:
全体討論では、サンドラ氏への仕事に対する姿勢や、ケニアに戻るときの課題などが質問されました。サンドラ氏は、日本在住のケニア人たちとのネットワークを強め、帰国後の人的ネットワークの構築を行っています。また、「好きな仕事をしていれば苦労も悩みにならない」という仕事への姿勢は、サンドラ氏の夢がかない、充実した日々を過ごしていることが窺えました。また、高校生の参加者からは、海外で学ぶときに、言語以外にどのような準備が必要かと質問し、サンドラ氏は、文化について事前に知ることの重要性や、現地での柔軟なマインドが大切であると述べました。日本の開発は完成されたものか、との問いには、特に若者に挑戦力が不足している点を指摘しました。
■参加人数:約30名