国連「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」の地域拠点『中部ESD拠点』

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第2分科会(学校教育と地域)

活動成果

(2)ESD2014に向けた教育NPOの意見交換会の支援

「ESD2014に向けた地域の教育NPOによる意見交換会」計9回開催

①2013年4月13日(木)第1回意見交換会 ESD授業プログラム作りについて1

 昨年度「自立と共生が実現している社会」を持続可能な社会と位置付け、今年度は「自立」「共生」を可能にする教育、人材育成について議論し、各団体が持っているESDプログラムを学校教育に導入すべく持ち寄り、学校の指導カリキュラムに添ってメニュー化することとした。

②5月 7日(火)第2回意見交換会 ESD授業プログラム作りについて2

 学校や教育委員会に提示できるプログラムメニューについて検討。各団体のESDプログラムから、①お金・楽・速さ、②向上(成長)・学力・知識、③失敗・常識、④子どもの力と可能性、⑤ちがい・多様性・成否、⑥過保護・過干渉、⑦自己肯定、⑧公共意識、⑨その他の9つのテーマのプログラムメニュー、また見せ方などを検討した。 また、本会議の組織化について意見を交わした。

③6月11日(火)第3回意見交換会 ESD授業プログラム作りについて3

 ESD授業プログラムを作成する際の重視点として“自立と共生~自分を十分に生き、他者の権利を尊重すしながら一緒に生きていく~”という価値観を共有した。 “私・自分”という自己に関わる力から他者を理解し多様性を受入れることにつながる“自己肯定感を育む”ことに教育の力点を置くこととした。

④10月30日(水)第4回意見交換会 ESD授業プログラム提言書作りにむけて

 前回の議論で“自己肯定感を育む授業づくり”を中心にESD授業プログラムについての提言書を作成することとなり、その構成案・内容について検討を始めた。

⑤12月19日(木)第5回意見交換会 ESDと自己肯定感についての情報共有

 「自己肯定感が低下している状況と影響」についてデータと資料、「自己肯定感と社会づくり・ESDとの関係」についてデータと資料、の提示と説明を受け、これを基に議論を行い、自己肯定感を高めることが、持続可能な社会をつくる人材育成のベースになるのではないかと、仮説をもった。

⑥2014年1月29日(水)第6回意見交換会 参加者にとってのESDと自己肯定感について

 自己肯定感とESDのつながりについての考えを深めるため、「ESDとは」「ESDを大切に考える理由」「なぜ自己肯定感が重要なのか」についてワークショップをして考えを共有した。
【ESDとは】
・自分らしく他者と共にいかに生きるかを問い続ける。またどういう社会にしたいかを考え続ける。
・子どもの最善の利益と持続可能な社会にとって大切な事であるが、子ども観の違い差異に気づき社会として方向性を出していく。他
【ESDが大切な理由】
・自分、自分以外に向き合いつながり(違いに気づき)、市民性の芽生え、社会にとって必要な人が育つ。
・(個人、社会とも)生きる指針、道しるべが生まれる 他
【なぜ自己肯定感なのか】
・自己肯定感を育て会う事で人力が開かれていく場を目撃し続けている。
・自分を大切にできないと、他の人を大切に思えない。
・自己肯定感がないと、社会をつくる力をもっているとは思えない。
・社会の中で自分の意志で一番コントロールしやすいものが自分だから。
・何事も自分からしか始まらない 他

⑦2月6日(木) 第7回意見交換会 ESD授業プログラム提言書作り1

 提言書作成にむけてのスケジュール、項目についての合意を行った。
写真掲載用≪提案書≫
1.自己肯定力とESD 
持続可能な社会を作るために必須な力 
2.目的(なぜESDと自己肯定力か)
①自己肯定力が低下している現状と子どもの現状
②自己肯定力と社会づくり(ESD)
3.自己肯定力を高めるために必要な学び、教育とは
①学校教育 ②地域学習 ③グローバルな視点 
4.自己肯定力を高めるESD授業プログラムの紹介 
対象:小1~中3OK
単元:総合的な学習(生活科)+教科を含む

⑧2月27日(木)第8回意見交換会 ESD授業プログラム提言書作り2

 

「自己肯定感」類似のさまざまな概念を、「自己効力感」「自尊感情」「自己有用感」「自己有能感」「深い自己肯定感」という5つの概念と各団体の活動及び関わっているESDプログラムを照らし合わせ、自己肯定感を高めるために必要なプログラム要素について共有をした。さらに、今後「自己肯定感」を高めるために、どのようなプログラムやカリキュラムを学校に提示していくかを議論し、次回の会議でESDを実践している学校の教員に来ていただき、意見交換することとした。

⑨3月17日(月)第9回意見交換会(予定) ESD授業プログラム提言書作り3

 

提言書の構想や内容について、原案の段階で教育現場の意見をうかがうために、愛知県内の教員に会議に参加して頂き、意見を頂く。
【成果】
 この地域でESDの取組を実践している教育に関わるNPOが、昨年より2014年度に開催されるESDユネスコ会議を契機に、さらにESD取組の質の向上及び実践増大に向けての議論を重ねてきた。持続可能な社会をつくるためには「自立」と「共生」が必須であるとし、そのための教育活動とはどのような内容、手法であるかの議論を行った。その結果、自立と共生が実現している社会の作り手・担い手に必要な力は「自己肯定感」であり、その力を育むための学びや体験の機会、学校教育におけるカリキュラムの創出が必須であるという結論に至った。これを主題として教育機関等に提案する提言書の作成を進める。