
ESDユネスコ世界会議全体の様子や併催イベントの内容について下記PDFにてまとめました。
中部ESD拠点では、「ESD ユネスコ世界会議」2 日目となる11月11 日(火)に、併催イベント(ESD交流セミナー) を開催し、ESD推進のための「流域圏ESDモデル」の発信を行いました。
ESD推進の「中部モデル」は、ESDユネスコ世界会議の開催地である愛知県名古屋市が位置する日本の中部地域におけるESDの推進手法である。この地域は、トヨタ自動車をはじめとする日本のものづくりの拠点であると同時に、公害問題に苦しみ、これを克服し、近年では環境万博とよばれた2005年日本国際博覧会や生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)などを開催した環境都市でもある。
ESD推進の「中部モデル」は、生命地域(Bioregion)である伊勢・三河湾流域圏を活動対象地とし、社会の発展と持続可能性を追求する人材育成の仕組みの提案である。特に、ものづくりの拠点として、それらを生み出した伝統知を尊重し、過去の知恵に学び、現代の諸課題を正確に把握して、未来を創造することのできる人材の育成を、多様な主体間の相互学習と学び合いによって実現することをめざす。
また、時間軸における過去・現在・未来の縦軸に対して、持続可能性に関する多様な主体やテーマを横軸に、中部地域独自のESDモデルを構築する。
上記を「中部モデル」の骨子とし、主体別分科会(企業とNPO、学校教育と地域、高等教育)、テーマ別分科会(国際協力、伝統文化)、エリア別課題解決の学び(伊勢・三河湾流域圏ESD講座)の3つのアプローチから、個別のESDプログラムを提案し、肉付けを行うこととする。
国連「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」(2005年~14年)の最終年会合「ESDに関するユネスコ世界会議」が2014年に愛知県・名古屋市で開催される。東海三県でESDを推進している中部ESD拠点協議会(国連大学から認定された世界約127か所の拠点の1つ)は、開催地の地域ESD拠点として、2012年度よりESD推進のための「中部モデル」の構築に向けた活動を、地域内外のステークホルダーとともに展開している。具体的には、以下の3つのアプローチからESD活動を展開している。
主体別分科会の設置と運営
:①企業とNPO、②学校教育と地域、③高等教育の3つの主体別分科会を立ち上げ、各分野においていかにESDを推進すべきか、また、どのよう な相互連携をはかることが出来るかについて調査や議論、プログラム作りやそれらの試行等を行っている。
テーマ別分科会の設置と運営
:上記3つの主体別分科会に加えて、横断的テーマ別分科会として、④国際協力、⑤伝統文化(伝統知)をテーマとした活動を行っている。主体 別分科会の成果を、国際的な視野や伝統知の観点から検討するためのワークショップを行い、地域に根付くESDの仕組みづくりを行っている。
伊勢・三河湾流域圏ESD講座の実施
:本講座は、伊勢・三河湾流域圏における流域ごとの課題共有と解決に向けた学びを促進するために、愛知・岐阜・三重県に流れる主要11河川 (+愛知用水)の上流・中流・下流の公的および非公的な教育機関や活動団体と連携してESD講座を実施するものである。11河川(+愛知用水)の 3地域(上・中・下流)計33+3=36講座を2年間実施してきた。最終年である2014年にはさらに36の講座を実施し、100の地域課題を明らか にする予定である。また、ESD世界会議に合わせて、100の活動主体が参加する総括会合を開催し、中部モデルの一要素である流域圏を単位と したESD推進の成果を国際的に発表する予定である。
掲載日:2014年12月26日